13.絶叫!!
第21話
「叫ぶな!」
リーダーの絶叫に結城。
敵兵がますます集まってくる。リーダーはやみくもに機関銃をぶっぱなす。どんどん死んでいく敵兵たち。援護射撃をする結城。さおりは銃を持っていないので、何もできない。怯えた顔で結城に寄り添う。
敵兵が全滅し、結城たちはやはり、2年A組の教室に戻って来た。
「そうか、聖子先生は死んだか」
岩木の言葉。岩木の元に戻った結城とリーダーと、さおり。みんなは2年A組の教室にいる。
「ところで、現代に戻る方法だけど」
と岩木。
「わかったんですか?」
叫ぶリーダー。
「危ない!!!」
叫ぶ鈴木。結城とさおりを両腕で力強く突き飛ばし、そうして、手にピンの抜かれた手りゅう弾を持つ、そうして遠くに投げようとする。だけど間に合わず、爆音がして、鈴木の右腕が吹き飛んだ。
「ごめん!」叫ぶ結城。
痛みで苦しみながら叫ぶ鈴木。
「いや、いいよ。戦争だったらよくあることだから。片腕が吹き飛ぶくらい」
とまで言うと、泣き出す鈴木。
「俺、もうかたわだ」
これでも生き延びられただけいい。
リーダーは鈴木の肩を抱き、皆、保健室に向かう。
「相田、援護射撃して!」
リーダーの言葉に、結城はぴったりとはりついたさおりを押しのけると、銃撃戦に備える。保健室にたどり着くまで、何度も射撃し、無事5人全員、保健室にたどり着いた。
戦争のため荒廃しきった保健室。だけど、包帯はまださらのままで残っていた。岩木がよくわからないままに、鈴木の残った腕に包帯を巻く。
「化膿したらいけないので、消毒液で殺菌したら?」
とリーダー。
「おお、すまん!」岩木。
吹き飛んだ片腕の腕の傷を治療された鈴木。
「俺もう、かたわだ」
泣き出す。痛みで泣くのか、絶望で泣くのか。
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