第4話

さおりの言葉に怪訝そうにみんなさおりを振り返る。


「3年後?」

聖子先生も怪訝そうだ。


「黒板の年数が3年後になってるんです。私たち3年後に来てるのかな?」


「なんで?」

岩木がその言葉に戸惑う。


「誰かのいたずらじゃない?」

聖子先生がつかつかと黒板に向かう。確かに黒板は3年後になっている。


「別の教室を確かめましょう」

聖子先生がさゆりをつれ、戦乱を逃れながら別の教室に向かう。


「聖子先生、これ、タイムスリップ?」

さおりが尋ねる。2年B組にみんなは向かう。


「聖子先生、これ。タイムスリップですよ」

さおりが叫ぶ。


2年C組に向かう。1年A組に向かう。まだまだ色んな教室に向かう。


数々の教室の黒板をチェックして、どの教室も3年後になっているのを確認し聖子先生も大きく息をつき言う。


「岩木先生、これは、タイムスリップかもしれません」


その言葉を聞き、いじめっこの鈴木が叫ぶ。

「3年後の日本は、戦争か!」

岩木。


「戦争か? 平和主義の日本が3年後には戦争に巻き込まれていると!」

岩木は絶叫しそうになりながらその場に立ち尽くす。


「ありえるような。ありえないような。ありえるような」

ぶつぶつと岩木はつぶやく。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る