第50話

「まぁ、どういうことなの?」


お茶を夫妻で飲みながら、伊佐木が解説する。


「マスコミにはなの犯罪行為をリークした。正確には衛星だがね」

言葉を続ける伊佐木。


「僕は編集者だから、文章は得意。文章が得意な現代版ヒーローの戦い方だ」


翌日、テレビをみながら伊佐木の妻。


「何か音沙汰あった?」

「昨日の話ね。特に何も」

もみ消しか?と伊佐木は思う。というより、文章がよくなかったのかもしれない。と思えども、文章をパソコンに残していなかった。あたー、次からリークした際の文章を残すことにしようと伊佐木は心に誓う。


「あなた、ファンメールは?」

と妻。


「ヒーローの戦い方?」

「はなさにんにファンメールを書いたら?」


「どうなんだろうなぁ!」

「私が打ってみるわ」

そう妻がタイピングを始める、ちょっとおぼつかないタイピングだ。『あなたに殺人の容疑がかかってます。私たちを殺そうとしたのは、あなたを捨てた男を』

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