第32話
―撮影。
はなはパシャパシャとカメラを向けられる。
(写真はいい、匂いが伝わらないから)
はなは華麗にポーズを決める。美しい。
はなは思う。
(どーせこのカメラマンも私を臭いと思ってるんでしょうね)
そんなぐれた心の時代を生きるはなに新恋人ができた。大学生だ。煙草を好んで吸っていて、口がたばこ臭いのがたまにキズだが、実はもうキス済みだ。
はなは臭いから恋人など絶対、自分にはできないんだと絶望していたが、自分には美貌があったと笑う。はなは処女を強制的に捨てさせられた咲斗との出会いを思う。
もう二の舞は踏まない。両親に恋人を紹介して、婚約してやる。はなは心に誓う。
そうして自宅にて
「お父さん、お母さん、彼は進藤さん」
「ああ」
「ええ」
両親も唐突にはなの恋人を紹介されて戸惑うものの、はなに将来を誓い合う恋人が出来るのはよいことだと思った。
が、内心、父は違った。進藤が帰ったその後、夕食を終え、お風呂に入る前、父がどこかに電話をかけている。それは囚人管理衛星だ。そうして、お風呂から出て、洗いざらしの髪にタオルを巻く、はなの髪の毛を拾う。
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