第25話

「あー」

松澤大樹はバツの悪そうな顔をする。


「あーねぇ」

一向に話し出さない松澤大樹に立ち上がり叫ぶ伊佐木。


「僕に目くらましの治療を施してください」

「あーねぇ」

松澤大樹はさっきからそれしか言わない。


「話をそらさないで」

やっきとなる伊佐木の元、ようやく松澤大樹が口を開く。


「君は、まぁ、軽度な方だよ。脳に亀裂が入っていないから、私の医療は、脳に亀裂が入った人への治療法だから」


「先生、僕にストーカーがついているんですか?」

と伊佐木。

「君、何か腹黒いことしてる?」

「してません、話をはぐらかさないで!」

「あー」


再び松澤大樹は相槌だけになる、とうとう伊佐木は泣き出す。


「松澤先生!!!!」

ぼろぼろ涙を流す伊佐木。

「助けてください!!!!!」

そうして、椅子をよけると、その場に土下座する伊佐木。

「助けてください!!!!!」

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