第16話

「というわけだ、くずに関わりたくなければ去れや!お前なんてただの記録だ!」はなは絶望する。絶望して叫ぶ。

「馬鹿野郎!おまえなんか殺してやる!」


泣き出すはな。

「馬鹿野郎!お前なんか統合失調症になってしまえ!」

はなの叫びについ反応する咲斗。咲斗も怒鳴っている。


「殺せるわけねーだろ、処女喪失なんてそんなものだ!」

「馬鹿野郎!明日からお前は統合失調症だ!」

はなはいつもの魔法の呪文を叫ぶ。それは呪いの歌。

「帰れ!帰れ!」

「馬鹿ぁぁ!」


荷物を玄関の外に放られ、体も外に押しやられながら、2、3着てない服を投げ出され、扉を閉じられてしまう。


叫ぼうとするはな。だけど、通行人が通るのに気づき、慌てて服を着る。服を着て鞄を手にし、玄関の向こうの咲斗に叫ぶはな。

「馬鹿野郎!覚えとけ!」

「3日で忘れらぁ!」


人数を競うナンパ師にもう何を言っても無駄としか思えないはなは、泣きじゃくる。涙の塩気で顔がむくむ前にとはなは公園の水のみで顔を洗う。そうしてそれでも涙が出、焦るはな。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る