2.集団いじめ
第6話
新学期。
初めて会う顔ぶれ。みんなどんな友達や仲間が出来るか、どきどきしながら、クラスメートに声をかけている。
「なんか、くさくない?この辺?」
とある女子生徒が言う。
「ほんと」
とまた別の女子生徒が言う。
「うんこでもあるのかな?」
「うんこはさすがにないでしょう?」
「誰か屁した?」
とまるで関係ない男子生徒。
なんて人間関係。こんなんで友達がまともにできるでしょうか?ひどい会話の中、日野咲はなはどきどきしている。そう匂いの発端は、日野咲はな。どこが匂うか?それは、はなの口臭。生まれ持った病気で、口臭もちである。担任に席順を言い与えられ、席につくはな。
「お隣さんね、よろしく!」
はなは笑顔で言う。確かに口臭もちとはいえ、匂いの発信源はなかなか気付かれないもの、
それで屈託なく話せるのだ。いや屈託なく話しかける方が、ばれにくいと、はなはそれまでの人生で悟っていた。
「くせ!」
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