第8話

音羽は今度は一人で車を寄せた。今日はハイヤーではない。英大の居た通りだ、英大はまた演奏をしている。反戦の歌だ。


警察に追われそうになり、逃げまくる姿。


それを見て音羽は叫ぶ。


「馬鹿だろ、これ」


なんとか逃げおおせている風の英大を見。


「俺がオリコン1だから、俺が正しい。やっぱり俺が正しい」


車の中ハンドルを握り。そうして、お忍びで、英大を覗きに行ったことをひた隠して女社長との逢瀬。


とあるスイートルーム。キスをする。


「反戦の歌なんて歌って、世界が変わるもん?」


「変わるかもしれないし、変わらないかもしれないわ!でも、私は戦争で死にたくないわ!」


そう言って、首に手を回す。会長が父なのだ。


「なんで、反戦に反対するの?」


と女社長。ちょっぴりさみしそうだ。


「音楽の力を信じられない?」


言葉を続けた。一方音羽。


「なんで、そう熱くかたる?」


体を引きはがす。


「奴に惚れたのか?」


恋人同士のやきもち。


「ちがーう!」

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