17.世界の終わりには

第25話

「大統領!

核弾頭のスイッチが押される

時刻が近づいてきていますが、

どんなご気分ですか?


世界を救うために止められませんか?」


伊藤がごり押しで

開催した記者会見。

世界各国の記者で

集まれるもの全員が

集まった。


その人数たるや。


「愛華やったよ俺」

心で泣きながら、

ボイスレコーダーを

握る。


―一方

ゲーム会社アクアにて。


「は、入った!

やた、ホストコンピューターに

侵入出来たぞ!」


プログラマーの

佐々木が叫ぶ。


「あ、でもよくわかんね。

どこからどこを消せばいいんだ?」


佐々木の言葉に、

泉。


「全部だろ?」



―イリアの記者会見場。

記者会見を終えるまもなく、

立ち上がるカルマン大統領。


「もう時間だ!」


「待ってください!

大統領!!」


イリア語で記者が叫ぶ。

伊藤だ。


―アクア。

「サウンドをつけよう」

ホストコンピューターへの

侵入を終え気をよくした、

泉が言う。


「何? この曲?」

佐々木。


「いのりの世界救済の

名作。ザ・ワールドだ」


隣の、松田も笑う。


「なんか闘志の

みなぎる感じだね?」


「うぉーーー盛り上がって

来たぁ!」

佐々木、イリアの軍部の

プログラミングを眺める。


「社長曰くは、

イリア軍に気づかれるとまずいから、

核弾頭のスイッチを押す直前くらいに

データー抹消の方がいいみたいよ」


と泉。


「きわどいなぁ!」


キーボードを

よけ、コーヒーを飲む。


「え? この時計ちょっと

遅れてるよ!」松田。


「え? え? まじ?」泉。


「もう核弾頭のスイッチ、

押されてる?」松田。


「な、わけねぇぇぇぇ!!!」

佐々木の腕で

データーがざぁぁぁぁと

抹消されていく。


「間に合ってくれ!

一体何なんだ!」


佐々木が叫ぶ。

背中には、

いのりのザ・ワールドが

流れる。

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