16.マスコミマン

第24話

「なんで、明日核弾頭が

落ちるって言うのに、

こんなところに居るの?」


とある、マンション。

キスをする。渡部愛華。

そのキスのお相手は、

マスコミマンの伊藤啓史。


「非力な俺は、

もうこのまま死のうと思います。

お前とキスとセックスをしながら」


そう言うと、

表情暗く、愛華の片乳を

揉みだす伊藤。


ばちこーんと

伊藤にびんたをくらわす

愛華。


「弱者のお前とは、

キスもセックスもしない。

女はいつなんどきも強い男が

好きなのよ!」


「なんだよ! なんだよ!

もう、俺はやることはやったんだよ!」


真っ赤に腫れた

頬を伊藤はさすりながら、

叫ぶ。すると愛華。


「あんた、殴るよ!

今度は平手じゃない、ぐーよ!」


「なんだよ! なんだよ!

世界の最期に乳くらい揉ませろよ!」


ゆっくりと

ぐーを伊藤の鼻先に

ねじりつける愛華。

伊藤の鼻先をぐりぐりしながら、

しゃべる。


「いっちょイリアの

大統領に記者会見、かまして来い!

なんだったら、ブチ殺すくらいの

勢いよ!」


両手のぐーで

伊藤の頬をぐりぐりする愛華。


「戦争をぶち止めておいで!

あんた、強いマスコミマンでしょう?」


「最期のキスは?」


伊藤が口をとがらせる。


「ない! 

戦争にマスコミが、勝利したらよ!

戦争に日本が勝利したら、

キスして、結婚して、子供も

2人作ろうね!」


「結婚かぁ!

ご褒美がね」


伊藤の言葉に愛華が

聖女マリアのように笑う。


「あんたのお母さん、

浮気して、あんたを小4の時に

捨てたんでしょう?


そのハングリー精神で

ここまで登ってきたんでしょう?

後もうちょっとで戦争が

止められるのはあんたの力よ。

幸せな家庭を作ろうね」


「大好き! 行く!」


ぎゅーっと愛華を抱きしめて

伊藤は去っていく。


マンションの扉を

しめる時、愛華は

たまらず泣き崩れた。

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