15.製薬会社

第23話

「まじか!」


叫んだ鈴鹿製薬会社の

一人の社員。花﨑守。

自分のデスクで

パソコンをいつものように

いじっていた。


「なに騒いでるの?」

花﨑をのぞき込む、藤井。


「これ、見て!」


花﨑はパソコンのメールを

藤井に見せる。


「まじ!」


「なに騒いでるの?

藤井まで」


続いて盛岡。

みんなで花﨑を取り囲み

メールを読んでどやどや

騒いでいると、

部長が訪れ、マジ切れる。


「お前ら、遊ぶな!」


「違うんです! 違うんです!

部長、これを読んでください!」


焦る花﨑。

部長にメールを読ませる。


「なんと!

放射能のワクチンを作ってくれと!」


部長の驚いた顔。


「部長、放射能の

ワクチンって作れるもんですか?」

と藤井。


戸惑いがおの部長。


「え、どうだろ?」


「明日、核弾頭がアイルに撃ち込まれるけど、

放射能のワクチンで、被ばくした人々を

助けてください。急いでワクチンの開発に

走ってください! とのこと」


と花﨑。


「おい! 全製薬会社に連絡しろ!」


部長が騒ぐ。


「大丈夫ですよ。

総理からのメールです。

恐らく、世界中の製薬会社に

伝令が走ってます」


花﨑が誇らしげに言う。


「グッドジョブ、総理」藤井。

「ナイス、総理」部長。


「まじか、できたら、

ノーベル平和賞だ!」


叫ぶ盛岡。ジャンプして

雄たけびを上げる。


「メールの名文句。

コロナのワクチンですら、

あっという間に作れた

あなた方だから、

不可能ではない! だって」


と花﨑。

メールを読み上げる。


「そうだよな、

俺らコロナのワクチンも

確かに作ったし!」


と藤井。すがすがし気な

笑顔だ。


「まじか!

できたらノーベル賞だ!

うぉぉぉぉぉぉ!!!!」


再び、盛岡が

こぶしをかかげ、

叫び散らす。

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