13.食料備蓄

第21話

「みなさん、

おさらいです!」


とあるYoutuber。

はきはきとしゃべる

知的な美女が

家の中の倉庫のようなところに

立って、カメラを回している。


斉藤あずさだ。


「みなさんは、

前回の動画で、世界大戦に突入しているので、

2年分の食料を備蓄してくださいと

私が言っていたことを覚えていますか?」


そう言うと

あずさはカメラアングルを変える。

映し出される棚。


「それでは、ざっと見て行きましょう。

こちらは水、絶対の必需品です。

後、パスタやお餅なんかもいいですね。

缶詰なんかもいいです」


またカメラアングルが変わる。

小さな倉庫にびっしりと備品が

そろっている。


同じものが並んで詰められて

いるので、そこはもうスーパーか

なんかのようにも見えなくもない。


「そうそう、トイレットペーパーも

しっかりと買っておきましょう」


今度はあずさの顔がアップして

真剣な面持ちで映る。

本当に知的な美人だ、

だからか、話す言葉に

実に信ぴょう性がある。


フォロー数が

万を超えるのもその仕業か?


「もうアルカッタンでは、

スーパーの館内放送で、半年分の

食料と備品を備蓄するよう

指示がなされたということです。

日本は一見、戦争とは直接

関係なさそうですが、違います。

今、世界は世界大戦に突入しています」


あずさの

Youtubeを観ていた一人の青年、

山本隆が恋人の本間真由に向かって言う。


「この動画、おっかしいの!

核弾頭が明日世界に撃ち込まれるってぇのに、

2年分の食料備蓄なんて、ちゃんちゃらおかしいわ。

もう世界の終わりじゃんね!」


その言葉にしびあな言葉で真由が口を開く。


「そうかな?

核兵器が使われると、食料や水が

放射能に汚染されるから、

すっごく正しいと思うけど!」


真由の言葉にとたんに

焦りだす隆。


「わ! それを早く言え!

何を買えばいいんだ!」


「もう手遅れだよ!」


隆の言葉に真由。口をとがらせる。


「わぁぁぁぁぁ!!

内部被ばくは絶対いやだぁぁぁぁ!!!

もうおしまいだぁぁ!!」


頭を抱え叫ぶ隆。

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