第11話

この手のメール、

この手の説は

もともと世にあったものだ、


だけど、

これをよくある提案とは

思わなかった。


ゲームと実際の戦争。

それをリンクさせる

糾弾はよくある。


だが、

核廃絶ゲームとは。

どう反応する?

と秘書が身構えると、


「30分ほど時間をくれ」


そう言い、社長は

自らのデスクに座り、

パソコンを起動させると、

タイピングをしはじめた。


演説のたたき台らしい。


秘書が自らの

デスクにつこうとすると、

社長が声をかける。


「今のメールのコピーを

全社員分用意してくれ!」


「はい!」


しかして

一時間後に巨大ミーティングが

行われることとなった。


イラスト担当、

プログラミング担当、

設計担当、

営業担当、


いろんなスタッフが

こぞって全員

およそ2000名が集められた。


社長は

秘書にメールを配らせ、

壇上の上で

マイクを片手に社員が後部の

入口から入ってくるのを

見守る。あまりの人数に

会場はすし詰めだ。


あたかも満員電車の様相。


この手の集会が

事前招集もなく行われることは

まれで、社員たちはみなとまどいの

顔だ。

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