第6話
「なー!
どうしてお前は
正義のヒーローに
なれないのかね?
俺は記者だ!
しがないネット記者だけど、
正義のヒーローの方よ。
そうだな、はぁはぁ、
そうだな、
脳攻撃の対象はイリアの政治家
全員と言いたいところだけど、
脳内ハッキングがばれないように
カルマン大統領一人を
狙うのがいいな!
発狂したと思わせろ!」
そこまで
一気に言った伊織が
痛みに苦しみだす。
床の上で悶絶する。
「うぐぅぅぅ!
お前をヒーローに
してやろうって言ってんのに、
なんで、俺を攻撃するんだ!
言えや! カルマン大統領の
脳みそに
<戦争反対! 戦争反対!
私は神だ! お前は
サタンに憑りつかれている、
お前を滅ぼしに来た!>って
とっとと脳攻撃しろや!」
脳内ハッカーは
無言でそれを聞き続けながら、
伊織に拷問を食らわせる。
苦しみながら伊織は
最後の言葉を告げた。
「日本人だと絶対
ばれないように注意しろや!
イリア語でいい続けろや!」
脳内ハッカーへの
伊織の指示は通じたのか?
それは現段階では
誰にも分からない。
うぉんうぉん
イリアの官邸にたたずむ
カルマン大統領に頭痛が
起き始める。
こめかみを押す
カルマン大統領。
『やっぱり、だめだ。
こわい』
日本語でそこまで
脳内ハッカーは言うと、
カルマン大統領の
頭痛は忽然と消えた。
そうして、3分後に
伊織に話しかける
統合失調症の脳内ハッカー。
『怖いよ、怖い。
怖いよ、怖い』
カルマン大統領に
勇気をふるって
脳内ハッカーが話しかけたとも
知らず、伊織は切れる。
「なんなんだよ、
なんなんだ、
なんで、俺に張り付いてんだ、
お前は! 行けや!
カルマン大統領のところに!」
『がくがく、ぶるぶる』
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