第7話

「僕から見たら十分おじさんだよ。けど、なんで、おじさんは死のうと思ったの?」




 少年は男の横におずおずと、そしてちょっとだけバツが悪そうなテレ笑いを浮かべ、腰を下ろす。




白いソックスの足裏が、すっかり屋上のホコリやら土やらですすけてしまっている。




「多分、お前と似たようなもんだよ。10台やそこらで自殺を決意するっていやぁ、受験だとか、いじめだとか、




コンプレックスだとか、失恋だとか、夢への挫折だとか、親との軋轢だとか、自分に対する無価値感だとか・・・




よくあることだけど、けど、なんだか自分一人だけ追い詰められてるような気がするんだよなぁ・・・あの頃は・・・」




 寂しげな目をし、男の横顔を見つめる少年。

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