第23話

病室を出て、孤島を歩くケビンと警部。




「あの野獣野郎、思ってたよりずっとイイ奴でしたな。」




つぶやくトッド警部。遠くを眺めながらケビンが口を開く。




「純粋なんですよ。」




一旦言葉を切ると、再びケビンは言葉を続ける。




「僕たち大人は多かれ少なかれ、世の中の矛盾に身を埋(うず)めてる。矛盾の中に身を埋(うず)め、そうして、歪めた自分の心を無理矢理押し込んで、一つのバランスの取れた世界を形作っているんです。」




ケビンを黙って見つめる警部。構わず言葉を続けるケビン。

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