第24話

「純粋すぎると、それが出来ない。ゆがんだ枠の中に、心を詰め込もうとして…だけど、心が収まりきれずに、心が壊れて、枠から溢れ出ちゃうんです。僕は……そんな子供達をたくさん見てきました。」




哀しそうに笑うケビン。




「だけど…美しいものを見、それに素直に感動する心。無邪気に喜ぶ心。あったかい心にふれ、それにそのまま感化される心。僕たち大人が決して忘れたくない、とびっきりの心ですよ。」




「そうですな…」




ケビンの言葉に、静かにうなずく警部。




二人は遠く遙か彼方を見つめる。島の丘の向こう、二人の視線の向こうに、ひなげしの花が風を受け寂しげに揺れていた。

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