第19話

薄暗い病室の中、ぼんやりと浮き彫りにされる、ベッドに横たわる、醜い肉の塊。それは、声を立てることもなく、静かに息づいていた。




「…ジェミー?」




とまどう野獣。




「ハンセン病だよ…」




野獣の背後から、渋い顔をしたトッド警部が重い口を開く。




「ハンセン…?」




「酷い痛みを伴いながら、じわじわ全身が醜く崩れていく病気だ。」




「ジェ…ミー…」




信じられない…といった表情で、目を大きく見開く野獣。




「不治の病だ…」




「どう…して……そんな、ジェミー。なんで、オラに隠してた…」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る