第7話

そういって、ケビンがイタズラっぽくウインクすると、それまで何も無かった両手の指の間に、マジックボールの様に、キャンディがみるみると現れ、あれよあれよという間に両手いっぱいに8つカラフルなキャンディが勢揃いした。




「水玉、チェックにスター…さぁ、ケリー、君はどのキャンディがお好みかな?」




そうケビンが言い終えないウチに、少年の顔がパァッ! っと一気に明るくなる。




「ねぇ、ねぇ、どうして? 凄いよ! なんで? なんで? どうなってるの!?」




キラキラと押さえきれない好奇心に輝く少年の目は、十代の子供のそれである。




「さぁね、どうしてだろう?」




とぼけた顔でケビンが笑ってみせる。




「もう一回! もう一回! やって!!! お願い!! もう一回!」




「いいよ、君がお望みとあらば、何度でもね。」




かくして、少年の心はケビンお得意のマジックで、すっかりうち解けてしまったのである。

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