26.悲しきナゾナゾ
第26話
自腹で携帯代を払ってたのかと、内心、洋次はちょっと感心する。しかし、娘は追撃を許さない。声を張り上げ、問答を繰り返す。
「友達の、ミキとは何年来の付き合いでしょう?!」
答えられない。
「はい、ブー! 中学からの付き合いで、かれこれ、5年来の親友でしたー! ぜんぜんダメじゃん! ウチにめちゃくちゃ遊びに来てんのにさ!」
眉間にシワをよせ、うつむいてしまう洋次。ミキの顔すら思い浮かばない。同情からか、苦笑いする真奈美、少し声が和らぐ。
「あたしが高校何年生だか、ご存知ですか?」
「2年生…」
うつむいたまま、洋次はつぶやく、情けない、こんなことしか知らなかった。
「あたしが小6の時、初めて生理になって、不安で不安でたまらなかったのを、あんたは知りもしなかった癖に!」
真奈美は短すぎるプリーツのスカートを翻し、細い両足で大地を踏みしめ、怒りをあらわにする。
風になびく。
「トイレの前で痛みでへたりこんでるあたしに、じゃまだからどけろっつって、なんで晩御飯が赤飯だったかなんて、あんたは気づきもしなかっただろ?」
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