25.ぐるぐると吐露と
第25話
頭の片隅では、無論、洋次も分かっていた。女子高生のメル友を作り、なんだかんだと理由をつけ、女子高生と実際デートの約束までしてしまっている自分は、娘に説教をできる立場ではないと。
しかし、洋次はそれでも真奈美に対し、説教をたれまくっていた。まるで頭ごなしに。
「その短いスカートはなんだ。襲われても仕方ないぞ。若い娘なら、もっと自分を大事にしなさい!」
真奈美も負けじと声を張り上げる。
「今更なんだよ! いつもいつも仕事仕事で、ほったらかしだった癖に!」
真奈美のキレ具合を、当然だとも思う。
だけど、洋次はひるまない。真っ向から向かい合う二人。しかし、その対峙は早くも崩されてしまう、真奈美の言葉によって。
「あんたは知ってんのかよ、あたしの今後の進路希望を!」
答えられぬ洋次。せせら笑う、真奈美。
「看護学校に行って、看護婦になる予定ですが、ご存知ですか? 知りゃしねーだろ?」
ぐうの音もでない洋次。
「はい、あたしのバイト先はどこでしょう?! なんのためにやっているでしょう?!」
何も答えられぬ洋次。視線がとまどう。娘がアルバイトをしていることすら知らなかった。
「ブー! 時間切れ、マックでした。携帯代払うためにやってんだよ!」
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