19.とまどいと

『今朝、娘があいさつしてきたよ。ちょっとびっくりして、うまくあいさつを返せなかったかもしれない。だけど、家族があいさつを交わすってのは、やっぱりいいことだね。嬉しかったよ』

その日のお昼時に、ナナからの返事が返ってくる。

『あたしもバッチリあいさつしたよ。(^_^)vオヤジ、ちょっとぎょっとしてた。無理もないよね？　もうずっとシカトしてたんだから。でも、あいさつはいいよね？　やっぱり、目の前にいる相手をシカトする方が、ずっと不自然なのかも？(^-^)』

よっぽど嬉しかったのか、ナナから立て続けて二通目のメールが届いた。

『もうずっと、オヤジとの親子関係は終わってるって思ってたけど、ヨウさんに出会って、なんかいい方向に向かってる感じ。ほんのちょっとずつだけどさ。(^0^)』

ナナからのメールに微笑む洋次。そしてメールを打つ。

『僕もそうだ。キミとの会話が娘との関係にいい影響を与えているような気がする』

しかし、その後、ナナから送られてきたメールに洋次は少し戸惑いを覚えた。いや、だが、こうまでも会話が弾む二人、いつかはこうなる運命だったのかもしれぬ。そんなナナからの返事。

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