20.やっぱりね、そうでしょ?
第20話
『やっぱり、ヨウさんと直接会って話がしたい。高いものおごってくれなんて言わないからさ。店で一番安い、アイスティーでいいよ』
ナナと会う。
ナナからのメールを前にして、しばし考え込んでしまう洋次。洋次は、妻も子もある身。しかも、相手は女子高生ときた。それはちょっとどうかな? と一瞬思う。
しかし、ナナは友達だ。同じ悩みを共にする戦友とも言える。洋次は、少しためらいつつも、返信のメールを打ち始める。
『そうだな、僕もキミともっと話がしたいかもしれない。メールだとなかなか話もはかどらないし。キミと話して、娘の世代のことをもっと知りたいかもな。娘が何を考えているのか、何を思い、何を悩み、日々生きているのか? 娘に僕が何をしてあげられるのか』
下心などなかった。
娘ほどの年の小娘にそんな下心を抱こうはずもない。いや、完全なるゼロかというと、それは嘘やもしれぬ。洋次の心の奥底に、ナナに対する、ほのかな恋心のようなものが、かすかに芽生えていたかもしれない。
しかし、それはあまりにもかすかで、あっという間に心の奥底にねじ込まれてしまう。
そうして、二人は再び待ち合わせをすることになった。今度は落ち度がないように、待ち合わせの時刻や場所を細かに話し合い、万全の初顔合わせに向けた。
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