17.これぞメル友！

『私、オヤジに朝、あいさつしてみようかな？いつもシカトしてるけど』

ナナから時間をおき、返ってきたメールにはそんな言葉が書き記されていた。

二人がメール交換を繰り返すうち、次第に起きつつある洋次の中での心の変化、ナナの中での心の変化。そうして、二人が掛け合わさることにより巻き起こるその科学反応が、辺りにも続々と飛び火したのだろうか？

次の日、洋次の家にも、ちょっとした変化が訪れた。朝からコーヒーを片手に新聞を読み広げる洋次に向かって、なぜだか、娘の真奈美があいさつをしてきた。

「…おはよう」

洋次の背中に投げかけられる、ややぶっきらぼうな、娘のあいさつ。唐突な出来事に洋次はとまどう。しかし、新聞を置くと、娘を振り返り慌てて口を開く。

「お、おはよう」

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