15.イマドキ

第15話

『う……ぁたしも、オヤジとは話せてません。反省…。けっこうシカトこいてるから』




と、ナナからの返信。結局、どこも似たようなもんらしい。こんなに愛想のよいナナですら、こんなていたらくとは。というより、ナナの父親のていたらくなのか?




ちなみに、ナナのこの反応を見る限り、文末はちっとも口説き文句となっていなかったらしい。洋次は、少し自意識過剰になっているのかもしれない。




イマドキ女子高生としがない中年男とのメール交換。大きくため息をつきながら洋次は返信を打つ。




『オヤジさんは、キミが援助交際していたことを知ってるの? オヤジさん、心配してるんじゃない?』




なんて、同い年の娘を持つ父親っぽいことを言ってみる。少々説教くさいが、シカトされ組みの父親代表としての、ちょっとした反撃だ。ナナからの返事。




『さーどうだろう、私には関心ないみたい。目もあわせようとしないし。ちっとも注意してくれないし。私のことなんてどーでもいいんじゃないかな? (X_X)』




これが、若い娘の本音かと洋次は思う。もしかしたら、娘も同じように考えているのかもしれないと、ほのかに反省する。もしかしたら、歩み寄るべきなのは、大人である自分の方かもしれないと、いつしか洋次は思い始めていた。




やがて、大人の眼差しとなる洋次。ナナに向かい、一文字一文字と大切にメールを打ち込んでゆく。

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