15.イマドキ
第15話
『う……ぁたしも、オヤジとは話せてません。反省…。けっこうシカトこいてるから』
と、ナナからの返信。結局、どこも似たようなもんらしい。こんなに愛想のよいナナですら、こんなていたらくとは。というより、ナナの父親のていたらくなのか?
ちなみに、ナナのこの反応を見る限り、文末はちっとも口説き文句となっていなかったらしい。洋次は、少し自意識過剰になっているのかもしれない。
イマドキ女子高生としがない中年男とのメール交換。大きくため息をつきながら洋次は返信を打つ。
『オヤジさんは、キミが援助交際していたことを知ってるの? オヤジさん、心配してるんじゃない?』
なんて、同い年の娘を持つ父親っぽいことを言ってみる。少々説教くさいが、シカトされ組みの父親代表としての、ちょっとした反撃だ。ナナからの返事。
『さーどうだろう、私には関心ないみたい。目もあわせようとしないし。ちっとも注意してくれないし。私のことなんてどーでもいいんじゃないかな? (X_X)』
これが、若い娘の本音かと洋次は思う。もしかしたら、娘も同じように考えているのかもしれないと、ほのかに反省する。もしかしたら、歩み寄るべきなのは、大人である自分の方かもしれないと、いつしか洋次は思い始めていた。
やがて、大人の眼差しとなる洋次。ナナに向かい、一文字一文字と大切にメールを打ち込んでゆく。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます