6.いつしか二人は
第6話
小娘からメールが届く。それもなかなか頻繁に。そうして返す。いつしか、洋次と例の小娘は世間一般で言うところの、メールフレンドというヤツになっていた。
普段は仕事以外で携帯が鳴ることもない洋次。若い娘さんとメール交換が折角できるのだからと、素直に喜べばいいのに。しかし、そこは中年オヤジ。中年ならではの、斜に構えた態度で小娘のメールを眺め見る。
顔文字が軽薄だとか。多用される絵文字のせいで、メールが妙にコミカルで浅はかだとか。会話に内容がない、薄っぺらいなど。そんな風に心内でズバズバ酷評していたと思うと、
いや、その実、さほど薄っぺらくはないのかもしれない。色んな図柄がそう見せているだけなのかもしれないなぁと一人でいたく反省してみたり。洋次のメールフレンドの名前はナナという、むろん偽名だろう。
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