7.ナナ
第7話
何はともあれ、奇妙な感じだった。娘ほどの年の差がある女子高生の小娘とのメール、斜に構えて分析してみるも、それでも、会話が成り立つとは。洋次はこれまで考えてもみなかった。メールという特殊なツールのなせるワザか?
二人は携帯で毎日のようにメール交換をする。ほんの短文だ。だが、会ったこともない者同士の交流だ。ふと洋次の脳裏によぎる一つの疑問。
(この子はナニが目的なのだろう?)
洋次は首をかしげる。やはり援助交際なのだろうか? 女子高生にとっては、中年のおじさんは、いいカモ? ふいに洋次の顔が曇る。実の娘にシカトをこかれ、また、よその娘さんには、カモにされ…そんな風に思うと、中年男である自分がふと物悲しくなってきた。
洋次はナナにメールを打ち始める。いつになくシビアな話題ゆえに、返信は望めないかもしれない。それに、ネットで出会った人間関係は濃い関係を好まぬらしい。送信したと同時に、そのままに縁が切れてしまうやもしれぬ。
しかし、これは洋次が現役女子高生にもっとも尋ねたかった事柄だ。
『キミもオヤジさんを無視するの? なんで若い娘さんは、自分の父親をああも毛嫌いするんだろうね?』
送信する。思いのほかナナから早い返信が返ってきた。
『なんで? って言われても・・・むしろ、なんでそんな質問をヨウさんがしてくるのかが、なんで?って感じ。('_')?』
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