4.軽薄メール
第4話
(いかん、いかん、いかーん!)
首を小刻みに振る洋次。真奈美をチラ見すると、慌てて携帯メールを打ち始める。待ち合わせの場所を、駅の西口に変更したのだ。
ティラリン!
軽快な着信音とともに、すぐさま女子高生からメールが返ってきた。
『いいよ、5分くらいでつくから(^0^)/』
洋次の気も知らず、実に能天気なメール。文末に載せられた、顔文字が相変わらず軽薄で憎らしい。何はともあれと、一息ついて、次なる待ち合わせ場所に向かおうとする洋次。
しかし、歩き始めしばらくすると、横面に妙に突き刺さる視線を感じる。恐る恐る脇を振り向くと、娘の真奈美が洋次をにらみつけ、洋次とともに歩いてくる。すかさず、顔を脇にそらせる洋次。
(な、なにぃーーー!なぜだ!真奈美ぃ!・・・よりによって、こんなときに限って!)
娘を振り払うかのごとく、猛烈に駆け出す洋次。そうしてすぐに、軽く息を切らしつつ、新たな待ち合わせ場所にたどり着いた。
しかし、しばらくすると、またも真奈美が携帯をいじりながら、のんびりとした歩調で追いついてくる。そうして、再び洋次の姿を発見すると、イヤそうな顔をする。
(うぉぉぉ!なんてこった!)
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