1-3.裕也と一志の遊び
第11話
ボーイズラブでもないけれど、男子二人でネットカフェのカップル部屋にもぐりこむ裕也と一志。
「一人部屋じゃ、狭いしねー。しゃーねーわ、よっこらせっと」
ハートの可愛いラブクッションを脇によけ、パソコンの前に一足先に腰下ろす一志。あぐらかき、そうしてまだ腰下ろさぬ裕也を振り返り一言。
「世の腐った婦女子の皆様にあらぬことをかんぐられないように、お前ちょっと離れて座れよ、流行ってんから」
そうしてしっと片手で払う、一志は言葉の端々で常に笑いを取るのを忘れない少年だ。苦笑いをしながら、裕也もパソコンの脇に正座する。
「今時、身分証明の必要ないネカフェなんてめずらしいね。あっさりスルーでちょっと意外」
と裕也。
「学生でも社会人でもない宙ぶらりんの自由人の我らの最後の砦ですよ」
指の関節をならしながら一志。タイピング用のストレッチ完了。
「さーってとぉ、おっぱじめますかぁ!」
慣れた手つきで、景気よくタイピングを始める一志がおかしな作り歌を歌いだす。
「だんごーだんごーくしーに刺して~♪」
どうやらネット接続の匿名性を上げるために通すプロクシーのことらしい。突如、ソプラノの裏声で一志がおかしげなラップを組み込む。
「二個にしようかしら? それとも、三個の方が足が付きにくい?」
「ちょっ! 一志なにしてんの!!?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます