10.発覚

第29話

美鈴はKissしてボンバーに所属していた。リーダーではないが、右サイドで踊る。カウントダウンライブ。


「Kissしてね! Kiss、Kiss、ベイビー♪」


美鈴の足は岡部涼花に負けじ劣らじと長くスレンダーだった。ミニスカートの足でキックする。アクティブなダンスナンバーだ。


所属するグループが人気となり、オリコン1を飾ることもあった。その人気は、母であり、クローン元の、岡部涼花の人気を凌駕するほどだ。美鈴はステージを降り、泣いた。まだアンコールがある。美鈴はティッシュでメイクが落ちないように、涙をふく。


椎野もそのライブに訪れている。遠く、観客席。美鈴のうちわで応援しながら、泣く。


――そうして年越しを終え、お正月。父と娘、2人でおせちをつついている時だった。親戚が訪れ、大量のつきたてのお餅と共に、こんな面白いものを見つけたよと、とある、雑誌を開いて見せた。


「すごいよ、美鈴ちゃんの人気は、こんなところにも出てるよ」

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