第18話

真相を知ってか知らでか、抱きしめられる異様に絶叫する美鈴。右腕で父の胸を殴る。父、椎野はちょっと間の空いた隙間を埋めるべく、美鈴を強く抱き寄せる。


「愛しているよ。岡部涼花。お前は天才であり、天部の美貌があり、この世で最高の女だ。お前の子供を作る」


絶叫する美鈴をお姫様抱っこして、父はベッドに落とした。


「さぁ、まじわおう。涼花の子供を作るんだ」


絶叫する美鈴。絶叫しながら、私がクローンかと絶叫する。父からその唇にキスをされる。服を脱がせられながら、愛撫をされる。


体中にキスをされる。それは、えてすれば、処女の美鈴には気が狂いそうなほど心地よい。だけど、美鈴は相手が父と知り、異様を悟る。服を抱き寄せ美鈴は絶叫する。


そうして、父を片腕でなぎ倒し、丸裸で服だけかかえ、自宅を飛び出る。クローン。いまだに信じられない。そのすべてが、父の語るそのすべてが。美鈴が靴も履かず飛び出た先は。

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