第17話
そこまで告げると椎野は美鈴にキスをする。椎野の暴挙に唖然とするも即座に椎野の頬を殴り、美鈴はその腕から逃げ出す。でも確かに唇は奪われた。
「お父さん、何なの? 何なの? なにこれ? 頭おかしい!」
絶叫する美鈴。茫然とする美鈴の前で、両腕を広げ椎野が叫ぶ。
「お前は、私の娘ではないんだよ。お前と私は遺伝的に親子じゃない。お前の知っているお母さんの遺影に飾られているのは、岡部涼花、私の愛する最愛の女だ」
いまだキスされた理由を理解できない美鈴を椎野は力いっぱい抱きしめる。美鈴がその異様さに絶叫しようとするも、父はその抱き寄せる腕の力を一切緩めない。
「カミングアウトしよう。お前は、美鈴だが、本当は岡部涼花のクローンなんだ。涼花が子供が持てなくて、老衰して死んだから、私が子供を作ることにした」
「なに?」
美鈴がつぶやいた直後絶叫をするも父の両腕は決して美鈴を手放さない。
「岡部涼花のクローンのお前が、私とセックスしたら、岡部涼花が子供を授かるとは思わないかい? だから育てた」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます