第19話

歩く。足が冷たい。アスファルトに生足が触れ、冷たい。そうして美鈴はとぼとぼと歩きながら、脇に抱えていた洋服を身にまとい、最寄りの交番にたどり着いた。美鈴はそこで泣きながら事情を話す。


椎野は美鈴の反応をもっともだと痛感していた。父と思っていた人に、クローンだと叫ばれ、レイプされるなど。私はプロセスを誤ったと反省した。


だけど気がかりは美鈴の安否だ。靴も履かずに逃げ出している。110番して、警察に捜索願を出した。


――翌朝、美鈴は児童相談所に居た。そこで話される異様。

美鈴は自分をクローンだと話した。父親だと思っていた人にレイプされかけたと絶叫しながら話した。だけど、児童相談所。20歳の美鈴は保護対象外だと語った。


美鈴は絶望する。靴も履いていない美鈴に、児童相談所は家に戻ることを指示した。美鈴は絶叫した。


「私は、レイプされる。ダメです」

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