6.政治家

第15話

政治家と成った涼花は、まどかと二人三脚で色んな政策を行い、国民の支持を得た。時に「障害者が政治家なんて」と揶揄する人も居た。その時は、気高い政治演説で涼花が蹴散らした。


涼花が男を知らなかったのがよかったのかもしれない。涼花が新庄に振られ、抱きしめらたことがなかったことがよかったのかもしれない。涼花の清さは世界を変えた。そんな涼花だが、時に詩を紡いだ。詩を紡ぎ、詩集も出した。そこで女ゲーテとあだ名された。涼花はまだ一度もキスをしたことがなかった。男性の抱擁を受けたこともなかった。そんな清い涼花でしか、出来ない政策もたくさんあった。


涼花は素敵な政治人生を送った。


――そうして現代。


政治家涼花が人生を幕閉じたその後。


「美鈴!美鈴!起きなさい。朝ごはんが出来ているから起きて食べなさい」


父の声。美鈴は朝食のトーストをくわえると、髪の毛の寝癖をなでながら、家を出る。19歳。大学一年生だ。

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