2.パラリンピック
第6話
涼花は衝撃を受けた。パラリンピックを目指している障害者たちが集う会合。車いすでカウンセラーと共に訪れた。
「この間は君の頬を張ってすまなかった。ぜひ、この現実を見て欲しい。両足の動く僕が何を言っても無駄かもしれないけど、みんなを見て」
涼花はパラリンピックの選手たちを見た。みな障害者だ。片足がない人が居れば、両足がない人もいる。カウンセラーは告げる。
「どうか、強くなってください。僕がこんなことを言うのはおかしいかもしれない。両足があるから。イラつくこともあるかもしれないけれど、どうか、強くなって」
そこまで言うと、涼花の肩に手を添えるカウンセラー。
「君は夢を与えるアイドルだったでしょう? 負けないで」
カウンセラーの言葉に涙を流しながら涼花が言う。
「アイドルだったんです。私、もう踊れないけれど。私、アイドルだったんです。なんで人生はこんなに過酷なんですか? 私は信じられない」
涼花の言葉に肩に添えた手を取りはずしカウンセラーは言う。
「すぐには分かってもらえないかもしれないけど、障害者の唯一の希望の場所です」
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