第5話
そこまで叫び、こぶしを悔し気に握るカウンセラー。
「カウンセラーは患者の話に相槌を打つだけなんだけど、君が可愛くて素敵なアイドルだからかな? イレギュラーを起こしてしまったよ」
そこまで叫ぶときゅっとかみしめた唇を再び開くカウンセラー。
「僕はカウンセラーだけど、君には負けないで欲しいと思ってる。これを観なさい」
そう叫んで、カウンセラーは目の前でノートパソコンを開き、パラリンピックのサイトを見せた。
「本当はカウンセラーがこんな風に患者さんに道を示すのはダメなんだけど。やっぱり君がアイドルだったからだろう」
涼花の目の前でテニスをする車いすの青年たち。
「可愛いし、とても放置しておけなかった。君の人生には、もう自殺しかないからかもしれないね」
涼花の瞳にパラリンピックの色んな種目が打ち出される。カウンセラーは力強く涼花に告げる。
「パラリンピックに出! それが全部いいとは言わないけれど、みんな頑張ってるから! 君にも救われて欲しい!」
カウンセラーの言葉に涙を流す涼花。いやいやをする。
「お願いです! 強くなってください! ひどいかもしれないけど、アイドルだから、負けないで欲しい!」
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