第4話

そうして涼花はベッドの上の天井をにらみながら心でつぶやく。


(私、死ぬ! ただの障害者だったらいい。だけど、私は、アイドル。アンチは、今の私を笑っているんだろうか?)


そこまで思うと、涼花はふっくと涙を流す。


『なんで私ばっかり!』


涼花の叫びは拘束衣にかき消される。


『新しい、オペラの講演もあったし、時代劇の俳優の録画もあったのに』


拘束衣の言葉ははっきりと識別できない。この世の地獄の闇にかき消される涼花の言葉。


涼花は、以前はよく見ていた、アンダーグラウンドの自分の悪口の書かれた掲示板を一切怖くて覗かなくなった。


そうして、再びカウンセラーの訪問。口の拘束衣を解かれた涼花が話す。


「私、死んでもいいですか? 私、アンチもいるんです。アイドルだから、私が、潰れているのを見たら、大笑いしているかも? もう、私死んだ方がいいんです!」


そこまで涼花が訴えるとカウンセラーが頬を張る。


「本当はカウンセラーはこんなことをするわけはないんだけれど」

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