六章:その後の二人
第18話
あれから、9ヶ月後。町中をマタニティドレスを着た早苗と、その隣を清貴が並んで歩いている。
「ね、あなた。お医者様は性別を調べる事が出来るっておっしゃってるけど、私はやっぱり調べない方が良いと思うの。男の子と女の子、両方の名前を考えてね、服はどっちでも着れるように中間色を選んでね」
そんな事を言っている早苗はすっかりお母さんの顔である。
「…何だかワクワクするわ。この中にどんな子が入って居るのか。出産の時が、まるでお楽しみ袋でも開ける瞬間の様にとっても楽しみなの」
早苗は微笑みながらおなかを撫でる。
「ねぇ、あなた」
早苗が微笑みながら、清貴を振り返った時だった。裕は運悪く、向こうから歩いてくる若い女の子達に目を取られていた。
「あなたぁ~?」
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