三章:まだまだ続く?
第8話
皮膚科の病院にて。
「「取れない!?」」
二人の声が診察室にこだました。
これは街の小さな皮膚科。たまたま、連休だったのをドアを無理矢理叩いて診察に応じて貰ったのである。二人の声にやや、ビックリしつつも医者は言葉を続ける。
「ああ、申し訳ないが」
「それでも、いいです!」
早苗が清貴を脇に押しやり、速攻で答える。
(何だよ、早苗の奴。そこまで無下にすることはないだろ? 仮にも付き合ってたんだぞ。もう、別れるのも時間の問題だけど…それにしたって、もっと他に言い方があるだろ?)
人間とは不思議なものである。何でも自らの手の内に有る内は、案外、雑に扱ったりするものだが、さぁ、さて、いざ本当に自分の手の内から離れていくとなると途端に惜しくなってしまうものである。今の清貴も丁度そういった心境か?
「だけど、跡が残るかもしれないよ。ほら、最近流行ってるキャミソールとかいうのを着るとき、困るだろ?」
そう言って、その医者は肩に手を当てる格好をした。そんな、医者の忠告にも関わらず美里はかまわず言葉を続ける。
「かまいません!」
「おい!お前なぁ!!」
思わず清貴が声をあげる。
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