第7話

「だから、タクシーで来れば良かったって事よ!」




「ハッ! 間違いなくラブホテルに連れてかれるね、この状態じゃあな!」




「アナタのセイでしょ!」




再び痴話喧嘩の勃発である。




「君のセイでもある!」




「アナタの!」




「君の!」




二人して罪のなすりつけあいである。恋人も末期ともなると、その喧嘩もスゴいね、おーこわ! 二人はまんじりともせず睨み合って居たが、やがて清貴が息をついて言った。そう、いつだって折れるのは男の方。男とは冷静な生き物なのか、はたまた諦めの生き物なのか。




「もういい、止めよう。疲れるだけだ。一刻も早く病院に行って、この状態を何とかしてもらう」




清貴のもっともな提案にうなずく早苗。




「そうね、そうしましょう」




二人は大きくため息を付いた。

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