四章:あれから

第20話

あれから数ヵ月後――




信也は相変わらず携帯の出会い系で女の子をひっかけていた。喉元過ぎればなんとやら。




そうして、その後出会う女の子たちは運良く、どれも正真正銘の女の子だった。もちろん、待ち合わせにすっぽかされた日もあった。




だが、信也は、きっとその日は女がメンスだったに違いないと思うことにしている。それかネカマか。そんなことでイチイチへこたれていては、ネットでナンパなどできやしないのだ。




あれから幾人かの女の子を通り過ぎ、しかし、皮肉にも彼女たちはどれもこれも、しょうこよりちょっとばかり見劣りする女の子たちだった。




しかし、しょうこの存在など信也にとっては、とうの昔に過去のものとなっており、あえて思い出しもしなかった。だから、しょうこより目の前の女の子が見劣りするだなんて思いもしなかった。ただ、ちょっとイマイチ可愛くないなと内心軽く思っただけで。




さて、通算何人目だろうか? 目の前の最新の女子のそのはしゃぎっぷり。




「信也君めちゃくちゃカッコイイ! 写メよりイケてるー!」




待ち合わせに来た途端にこれである。




信也にベタベタさわりながら、大騒ぎのギャル。嬉しそうにあがりっぱなしの口角。派手めのグロスが光る。




「あらそう、よく言われる」と、すっとぼけの信也。




(キミは写メの方が断然いい感じだけど)




チラり思うも口には出さず軽く笑顔。

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