第18話
ここでは沢山のオカマたちが働いている。ショーをし、お酒をつぎ、接客をし……公共の居場所を追いやられ、そして、どこか流れ着いた異邦人のように集う。
女以上に女臭いしぐさに、メイクにいでたち、そして、女以上に気が利き、そこかしこに配られる細やかな気遣い。
しょうこは決して悪い奴じゃない。信也は共に過ごしそう思う。
「お前、女に生まれてくればよかったのにな…」
そんな言葉が一瞬、信也の脳裏をよぎったが、信也は決して口には出さなかった。言っても仕方のないことだからだ。
しょうこを盗み見る。つんと澄ました鼻に、大きな瞳。笑うたびにくぼむ、チャーミングなエクボ。しょうこが女だったなら、きっとモテただろうとも、信也は思う。
だけど、しょうこは男だ。
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