第15話

信也は軽く顔を引き、スイカの乗った皿を片手でむしりとると、


華奢なフォークで乱暴に突き刺し、根こそぎ口にほおる。




しょうこのしなへの反発だろうか、いつになく過剰に男くさい信也の動作。そんなわけはないのにこのままこの空間に長しくたたずんでいるといつしか、伝染してしまいそうな、しょうこの女くささ。そしてオカマたちの女くささ。




やはりスイカはそのまま食べた方がよっぽどいいと、信也は内心小さく思った。





******





二杯目のグラスが開きはじめた頃、信也はフイにしょうこに問いたくなった。そして口を開く。




「いつも、こんなことしてんの?」




と信也。




テーブルの上でグラスを弄びながら、溶け行く氷を眺める。




「こんなことって?」




「だから、出会い系で……」

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