第11話
少年は笑う。少女のいでたちにもかかわらず、僕と言う少年が倒錯な世界をかもし出す。そして、扉の奥の薄暗く広がる世界。照明のトーンがやたらめったら落としてある。
初めて訪れるオカマ倶楽部の様相に、信也が圧倒されていると脇のオカマから声が掛かる。
「しょーこちゃん! 今日は同伴?」
野太い、だけど甘えるような独自の発声。
声につられ信也が脇見をすると、あからさまな様相のオカマが少年に笑顔で手を振り掛けている。少年とは似ても似つかない、おっさんじみた容貌に腰が引けそうになる。テレビでよく見る馴染み深いオカマだ。
あたりを見回せば、オカマとお客がベタベタとふれあいながら、
会話を楽しんだり、お酒を楽しんだりと、ある種異様な光景。
次第に不安を覚え始めた信也の腕を少年が引く。そして微笑む。
「しょうこってのが、僕の源氏名。こっちに来て」
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