第9話
「え?」
「僕ですよ、分かりませんか? お待たせしました」
信也の目の前に現れた少女は、先ほどの少年だった。
言われてみれば、待ち合わせの目印にしていた、写メの女の子に
似ているような気がする。少年が付近のコインロッカーから洋服を取り出し、着替えてきたのだ。
これは予想外のビジュアル。
こんな自体に遭遇し、写メはあまりアテにならないと信也は改めて思った。何より細かなディティールが分からないから。
みんな美女と言えば、美女に見え。みんないまいちと言えば、いまいちに見える。むろん、女の子たちの必死の鍛錬によって、大抵実物より数段かわいく見えたりするわけだが。
しかし、それにしてもこの目の前の少女は。隅々まで丁寧にほどこされたメイク。瞳が、1.5倍にまで膨れ上がっている。ぽってりとジューシーにうるんだ唇。
少年の骨格の軟弱さ、肌の色白さが少女に変身することでいつの間にか映えているというこのミラクル。
(な、なにぃ!なんだこりゃーーー! もろ、女じゃねーか! しかも、かなりイケてる……)
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