二章:全てがうらはら
第7話
信也がデニムのお尻のボケットから携帯を取り出し、カメラスタンバイをしようとした瞬間だった。携帯のランプがチカチカと発光する。
新着メールが入ったようだ。すかさず、差出人をチェックする信也。
「お、マナミか! 今回ぽしゃったから、力入れて会いにこぎつけないとな、なになに…」
と、軽くぼやきながら、信也はメールを読み始める。しかしメール内容を読み進めるにつれ、次第に眉をひそめる信也。
「まぁた、男の愚痴か? 毎度毎度、こいつわ…愚痴ばっかだな。はぁー、ダル!」
女のメール内容に追加でぼやきつつも、信也はメールを打ち込み始める。
「……そ、そん…んな」
慣れた手つきでナンバーボタンをプッシュし、マナミ宛のメールを小さな液晶画面に書き上げてゆく。
『そんな、キミを泣かす男なんてやめて、オレに乗り換えたら? オレならキミを泣かすようなこと絶対しないし……もっとずっと優しくしてあげられるよ。直に会えたら、ハグしてあげられるのに……愚痴ならいくらでも聞いてあげるから。心に貯めないで… byシン』
「はい! 送信!」
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