第33話

まだ真夏ではないというのに、部屋の中は蒸し風呂のような暑さ。本当は起き上がり、あっちのリモコンで、ちょっとクーラーの電源を入れればよいのだけれど。せめて窓くらい開ければよいのだけれど。そんな気は起きない。




まだ、偽めぐりんの余波が残っているようだ。偽めぐりんも罪なことをしやがったもんだ。僕は一刻も早く立ち直って、サイトを更新できるようになろう。そうしよう。




一人ぶつぶつと唱えながら、再び僕は寝返りを打つ。風呂に入っていないセイか、足の裏がじっとり汗ばんでやけに気持ち悪いが、シーツににじむ汗をなすりつけながら僕は思う。




(相談相手はどんな奴だか知らないけど、かわいそうにな。めぐりん、友達一人無くしちゃったんだ。でも大丈夫だと思うよ、友達なんて、きっとまたすぐにできるさ)




そんな風にめぐりんを心の中で励ましている内に、やがて僕は眠りについてしまう。

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