第15話

『図々しくないっすよ。僕が一番のめぐりんのファンですから。僕がダントツめぐりんを応援してますよ! byシオン』




めぐりんから日を変え次々とメールが送り込まれてくる。僕も返す。




『今日は、レコーディングをしました。取り直しだらけだったけど、何とか2曲OKだせた~! 5月にリリースする新曲です。せつない片思いを歌ってます! お楽しみにね!  byめぐ』




『今日は、久々グラビア撮影。なんだか着せ替え人形のように色んな服を着せられてはメイクを直されで、目がくるくる回っちゃったよー。シオンさんはすっごくがっかりかもしれないけど、水着はほとんどありませ~ん。グラビアって売り出し始めた当初と違って、なぜだか肌の露出がどんどん少なくなっちゃうんだよね? 私は恥ずかしくなくっていいけど、けど、なんだか変なの! byめぐ』




めぐりんからのメール。メール。メール。世界がバラ色に開けてくる。パール色に輝きはじめる。キミは僕の天使。




『今日は、サイン会と握手会を行いました。人が一杯来てちょっと人当たりしました。これって、嬉しい悲鳴? みんな私のために来てくれてるんだもん、人当たりなんて言ってられませんね。ファンのみんなありがとう! と、なぜだかここで言う。シオンさんも、東京在住だったら会えたのにね。シオンさんのサインだけ、ちょっと大きめに書いたりなんかして、えこひいきバレちゃうかな? って、なんちゃって。 byめぐ』




液晶の中で笑顔で歌い踊るキミ。パステルの衣装。キミが踊るたびゆれる、可愛いフリル。マイクを通しステージに響くそのキュートなスィートボイス。世界を癒す。




『今日は、丸一日オフだったので、おうちでお掃除してまーす。お天気がよかったので、洗濯をやって、掃除機かけて、で、フローリングもワックスがけして、ぴっかぴかになりました。有意義な一日でした。 byめぐ』




液晶の中ではじけるキミの笑顔。司会者と小さな小突きあいで、じゃれあうキミ。笑顔が伝染する。世界に広がる。




『ただいま腱鞘炎ぎみ。原因はサインの書きすぎ…トホホ。他の子とかは、けっこうマネージャーに代筆してもらったりすることも多いんだけど、だけど、私はやっぱり自分の手書きにこだわりたいです。これってムボーかもしれないけど、やっぱり私を応援してくれるファンのみんなには絶対お礼をしたいから、つらいけど、がんばる!』




どんどん、めぐりんを好きになる。知れば知るほどに好きになる。

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