第14話
だけど、僕は水面下でめぐりんとの交流を続ける。
めぐりんとの交流の日々の中、僕は芸能人というのは、やはり一般ぴーぷるの僕らとは違うのかしらん? と思う。めぐりんの語る話すべてがどこか夢うつつだ。めぐりんから送られてくるメールを読んでいると、これは果たして現実なのかしら? と僕はいつも思う。
『今日は、バラエティの収録で疲れたよー! 司会者にマイク振られたんだけど、うまく切り替えせなかったぁ! 次のお仕事来なかったらどーしよー! って今から不安です。私バラエティトークって向いてないのかな? 踊る御殿だけど byめぐ』
ゲーノー界の裏事情。そして、彼女のメールに次々と並ぶ業界用語・業界情報、まるで夢でも見ているみたいだ。そんな風に思う。だけど、そんな夢のような世界をめぐりんは生きている。
それが彼女にとっての現実だ。たとえ、僕には夢うつつのような世界だろうとも。僕の意見が参考になるとは到底思えないけど、返信を書いてみる。大好きなめぐりんのために、まごころを込めて。6畳間に響き渡るタイピング音。軽やかに。
『初めてのバラエティトークお疲れ様! あの番組は初めてだから、逆に初々しくって好印象だと思うよ。いつまでも初々しいだけだと通用しないんだけど、きっと番組スタッフもその辺狙って、めぐりんを起用したんだと思うからさ。心配するようなことはないと思う。次回、ガンバレ! byシオン』
意外、すぐさまめぐりんからの返事。マウスでクリック、メールオープン!
『すごーい! 的を射たアドバイスありがと~! 元気でた! 次、がんばる! けど、さすがシオンさん、めぐりんのことをピカイチよく分かってる! さすが一番のファン! と自分で言ってみる。ってちょっと図々しい? byめぐ』
めぐりんの返事の早さが文面の喜びを保証する。僕も嬉しくなってすぐさま返事を送り返す。
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