第4話
僕がいつものように録画した番組チェックしていると、笑顔で司会に受け答えしているめぐりんの後ろに2番手アイドルのさっちんことサユリ嬢。少しふてくされた顔でめぐりんをチラ見している。ほんの一瞬でカメラは通り過ぎたけれど、画像を巻き戻すとやっぱりふてくされてる。怪訝に思うも、僕はすぐさまピンと来たね。
めぐりんに缶コーヒーのCM取られちゃったのが、そーんなにくやしいのかぁ! ちなみに、サユリ嬢は、その前にも春シャンプーのCM取られちゃってるんだよね。めぐりんに。7人のキレイめタレントが出るから、比重的にはそんな大したことないだけど、けど、これがめぐりんブレイクのきっかけだ。
けどね、サユリ嬢、いっくらくやしいからって、テレビの前でそーんな顔しちゃあだめだよ。めぐりんを見習わないと。僕はめぐりんが売れない当初から知ってるから言えるよ、誰も見ていなくても、この笑顔。変わらぬ笑顔。めぐりんスマイル。めぐりんの、このけなげさがいいんだよ。CM起用のディレクターも、その辺ちゃんと分かってるんだよ。だーからめぐりんを使ったんだよ。やぁっぱり、めぐりんは最高だね!
僕は缶コーヒーのプルタブを開け、ぐびりと一口飲んだ。めぐりんCMが流れたと同時にコーヒーは箱買いだ。わずかばかりだけど、これで、めぐりんのCM効果は良好ってメーカーにも伝わるといいな。ファンならこういう形でも貢献しないとね。
かくして僕のサイトにも毎日のように大勢の読者が押し寄せてくる。みんなめぐりんが大好きだ。そうして、圧倒的な情報量と、緻密な情報収集で評判を得た僕のサイトにもちょっとした読者ファンができた。これって、二次ファンってヤツかしら?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます